1970年の発効から半世紀以上、核兵器が世界に広がることを防ぎ、同時に核軍縮を進めるための歴史ある条約です。
現在、190以上の国と地域が参加し、核兵器のない世界を目指すための国際的な基礎となる最も重要な枠組み「NPT(核兵器不拡散条約)」を
ご紹介します。
1960年代、核兵器を持つ国が次々と増える状況に「このままでは世界が核兵器だらけになってしまう」という強い危機感が生まれました。
そこで、核兵器の広がりを食い止めるために1968年に署名が始まり、1970年に発効(スタート)しました。現在では世界190以上の国と地域が参加しており、半世紀以上にわたって世界の平和を保つための最も基礎的なルールとして機能しています。
CHECK➡︎
発効とは:条約や法律などが実施され、効力を持つこと。
「これ以上増やさない」、
「減らしていく」、「平和的に使う」
NPTは、世界のバランスを保つための「3つの柱(約束)」を具体的に定めています。
1. 核兵器の不拡散(増やさない)
核兵器を持っていない国は、新しく作らない・受け取らないことを約束します。
2. 核軍縮(減らしていく)
すでに核兵器を持っている国(米・露・英・仏・中)は、核兵器を減らす交渉を行う義務を負います。
3. 原子力の平和利用
すべての国は、兵器としてではなく、医療やエネルギーなど平和な目的のために原子力を利用する権利を持ちます。
この明確なルールによって、核兵器の拡散を防ぎながら、世界の安全を保つしくみがつくられています。
「約束して終わり」ではありません。
核兵器を持っていない国が、密かに核兵器を作っていないか。これを監視するために、IAEA(国際原子力機関)という専門機関が各国の原子力施設を厳しくチェック(査察)する仕組みがあります。
この厳格な監視体制があることで、核兵器への転用を防ぎ、世界規模での拡散を抑える“ブレーキ”として機能しています。
CHECK➡︎
原子力の平和利用を確保するため、核兵器などに使われていないかを各国で査察・監視する国際機関のこと。
核兵器不拡散条約(NPT)と核兵器禁止条約(TPNW)は、必ずしも「対立している条約」ではなく、核兵器のない世界を目指すという目標は共通しています。
一方で、NPTは核兵器の拡散防止や軍縮を段階的に進める枠組みであるのに対し、TPNWは核兵器そのものを全面的に禁止する条約であり、 進め方や立場の違いから、国際社会の中で意見の隔たりがあるのも事実です。
現在191の国と地域が参加していますが、インド、パキスタン、イスラエルの3カ国は一度も参加していません。また、北朝鮮は2003年にNPTからの脱退を宣言し、その後核実験を行いました。これら「条約のルールの外」で核兵器を開発する国の存在が、世界的な安全保障の大きな課題となっています。
NPTは「これ以上核兵器を増やさない」ための非常に重要な土台ですが、保有国に「兵器を減らす」という約束(核軍縮)をしっかり守らせるためには、まず、NPTがどのような役割を持ち、核兵器を巡る世界の状況がどうなっているのかを知ることが大切です。
そして、各国が約束をきちんと守っているのか関心を持ち、社会の中で関心を広げていくことが重要です。
現状、核兵器を持つ国と持たない国の間で対立が起きており、5年に1度のNPT再検討会議でも議論が難航しています。だからこそ、「被爆の実相」を知る日本から継続して声を上げることが重要です。
NPTという確固たる「土台」を守り、核兵器禁止条約などの取り組みとも関わりながら、核兵器のない世界への歩みを後押ししていきましょう。一人ひとりの関心と声が世論を高め、国際社会を動かす最大の力になります。
1968年 |
核兵器不拡散条約(NPT)の署名が開始される |
|---|---|
1970年 |
NPTが正式に発効(スタート)し、国際的なルールとなる |
1995年 |
NPT再検討・延長会議が開催され、条約の「無期限延長」が決定される |
2000年 |
NPT再検討会議にて、核兵器の完全廃絶に向けた「明確な約束」を含む最終文書が採択される |
2010年 |
NPT再検討会議にて、核軍縮・不拡散・平和利用の3本柱に関する具体的な「行動計画(アクションプラン)」に合意 |
2017,2022,2026年 |
NPT再検討会議が開催されるも、核保有国と非保有国の意見の対立や国際情勢の悪化により、最終文書が採択できず(全会一致に至らず)。今後も国際的な合意形成が求められています。 |
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